日食とは、月が太陽の前を横切るために、月によって太陽の一部(または全部)が隠される現象です。
ですから、日食は太陽、月、地球が一直線に並んだときに見られます。
月は約29.5日で満ち欠けを繰り返しているので、毎回新月のときに、日食が起こるのではないかと考える人も多いと思います。しかし、実際には平均して1年に2回程しか日食は起こりません。なぜでしょうか?
実は、月が地球の周りを回る公転面は、地球が太陽の周りを回る公転面に対して、約5°傾いているため、頻繁に起こるわけではないのです。
また、太陽は月よりもずっと大きいのに、小さな月に隠されて見えるのはなぜでしょうか?
太陽の直径は約140万km(地球の約109倍)、月の直径は約3500㎞(地球の約1/4倍)なので、太陽と月の大きさを比べると太陽は月の約400倍もあります。しかし、地球からの距離は、太陽が約1億5千万km、月が約38万kmであるため、太陽の方が月よりも約400倍遠くにあります。そのため、地球から見ると、太陽と月はほぼ同じ大きさに見えるのです。
また、月が地球の周りを回る軌道は、きれいな円ではなく、遠いところでは約40万km、近いところでは約36万kmと楕円軌道であるため、月が地球に近いときには、太陽を全部隠す「皆既食」、月が地球から遠いときには、月の周りから太陽がはみ出して見える「金環食」になります。
月は、潮汐摩擦の影響等から、地球から年に数cm程とわずかではありますが、少しずつ遠くなっていると言われています。そのため、何万年か後には「皆既食」を見る機会が今より少なくなってしまうかもしれません。
(国立天文台HPより)
さて、今回、6月21日に日本で見られるのは「部分食」です。部分食とはどのようなところで見られるのでしょうか?下の図Aのように、月の影は、本影とよばれる太陽光がほぼさえぎられた濃い影と、半影とよばれる本影を取り囲む薄い影があり、半影の地域では部分食となります。皆既食を見ることができるのは本影の中に入るわずかな地域のみです。今回は、地球と月の距離が遠いため、図Bのように地上に本影はできず、半影の中に入る地域では部分食が見られます。また、台湾など半影の中心部では金環食が見られます。
A:皆既日食の場合
B:金環日食の場合
このように、太陽と地球、月の絶妙な関係性があって見ることができるのが日食です。
地球全体で見ると、日食は年に2回程起っていますが、日本では次に日食が見られるのは2030年6月1日と10年も先になります。ぜひ、日食について詳しく知り、今回の日食を楽しみましょう。
6月21日に、天候に恵まれ、日食の観察ができることを願っています。
ですから、日食は太陽、月、地球が一直線に並んだときに見られます。
月は約29.5日で満ち欠けを繰り返しているので、毎回新月のときに、日食が起こるのではないかと考える人も多いと思います。しかし、実際には平均して1年に2回程しか日食は起こりません。なぜでしょうか?
実は、月が地球の周りを回る公転面は、地球が太陽の周りを回る公転面に対して、約5°傾いているため、頻繁に起こるわけではないのです。
※それぞれの大きさや距離の比は実際と異なります。
また、太陽は月よりもずっと大きいのに、小さな月に隠されて見えるのはなぜでしょうか?
太陽の直径は約140万km(地球の約109倍)、月の直径は約3500㎞(地球の約1/4倍)なので、太陽と月の大きさを比べると太陽は月の約400倍もあります。しかし、地球からの距離は、太陽が約1億5千万km、月が約38万kmであるため、太陽の方が月よりも約400倍遠くにあります。そのため、地球から見ると、太陽と月はほぼ同じ大きさに見えるのです。
また、月が地球の周りを回る軌道は、きれいな円ではなく、遠いところでは約40万km、近いところでは約36万kmと楕円軌道であるため、月が地球に近いときには、太陽を全部隠す「皆既食」、月が地球から遠いときには、月の周りから太陽がはみ出して見える「金環食」になります。
月は、潮汐摩擦の影響等から、地球から年に数cm程とわずかではありますが、少しずつ遠くなっていると言われています。そのため、何万年か後には「皆既食」を見る機会が今より少なくなってしまうかもしれません。
(国立天文台HPより)
さて、今回、6月21日に日本で見られるのは「部分食」です。部分食とはどのようなところで見られるのでしょうか?下の図Aのように、月の影は、本影とよばれる太陽光がほぼさえぎられた濃い影と、半影とよばれる本影を取り囲む薄い影があり、半影の地域では部分食となります。皆既食を見ることができるのは本影の中に入るわずかな地域のみです。今回は、地球と月の距離が遠いため、図Bのように地上に本影はできず、半影の中に入る地域では部分食が見られます。また、台湾など半影の中心部では金環食が見られます。
A:皆既日食の場合
B:金環日食の場合
このように、太陽と地球、月の絶妙な関係性があって見ることができるのが日食です。
地球全体で見ると、日食は年に2回程起っていますが、日本では次に日食が見られるのは2030年6月1日と10年も先になります。ぜひ、日食について詳しく知り、今回の日食を楽しみましょう。
6月21日に、天候に恵まれ、日食の観察ができることを願っています。